私は今の会社に入社して35年が過ぎます。
入社当時は同じビルに同期が5名いて、仕事やアフター5でも行動を共にし、何時しか友人と呼べる程、親しくしていた。
その後、転勤とか会社の様々な理由で、1人、2人と進む道が異なるにつれ、交友も次第に遠のくようになってしまった。
私は私で、○○部なる会社の研修制度に応募し、10ヶ月の長期研修で北海道を離れてしまった。
長期研修では全寮制のため、学生時代とは別の不思議な友情の絆を深めた仲間ができた。
その仲間とは、現在も、4年に一度、丁度オリンピックイヤーに同窓会で親交を深めているが、普段は年賀状を交わす程度である。
また、転勤を度々経験するなかで、それぞれの職場で、共に酒を酌み交わす知人が少なからずでき、たまに何かの会議等で顔を合わすと、互いの近況や、時には酒を飲むこともあるが、それはその時で終わり、心を許しあえる友人とは少し異なる関係である。
その他、会社である程度の年月を得ると、会社における立場が徐々に異なっていき、上司と部下の関係になると、もう、心をさらけ出す間柄にはなりにくくなる。
つまり、会社人間にとって、長い間、地域との交流を絶ってしまうと、心を許しあえる友人なんてつくることが次第に難しくなってしまうのでは、と思ってしまう。
以前から、そう信じ込んでいたが、突然、そんな私の考えが間違っていたと言える出来事が最近おきた。
30数年来、音信が途絶えていた(私のせいでだが...)人から突然、電話があり、その後度々、電話やメールで連絡をとったり、直接会ったりするうちに、心の全てをさらけ出せることができ、言葉を選ばず、気取らずまた、警戒することも無く、自然体に会話ができる。
それこそ、時のたつのを忘れてしまうような、会社の中でも、そう言った交流ができるんだということがわかった。
定年まで後数年。仕事に対する意欲がだんだん薄れることが多くなってきたが、今こそと言うか、今度こそ、この信頼できる友人を大切にしたいと思っている。