こんな会社では先行きが....

先週から私の所属する部門で、各担当毎の業務についてどのようなスキルが必要で、そのスキルに達するための標準育成期間をまとめるよう上長からオーダがあった。
以前から、業務を機能単位に分解し、それを行うたのめスキル区分と誰(社員、契約社員)が実施するかを機能展開表で定めていた。
しかし、その業務を行うために必要なスキルに達するための育成や、習熟のための標準期間を定めたものがなかった。

私の勤める会社では、はるか以前はそれなりに社員を採用し、計画的に育成を行っていたが、その慣習がなくなってからは、スキル継承がなおざりになっています。
社員が退職するとその補充が契約社員(1年契約)で行われているため、育成も社員に対するような計画的なものでなくなっています。

団塊の世代の大量退職以前は、それでも何とかなっていたのですが、昨年からのいわゆる2007年問題で、業務を健全に遂行するための人材確保が問題となってきました。
特に、技術系の職場では、スキル継承には年単位の育成が必要であり、1年毎に契約を結ぶ契約社員や、半年間の契約の臨時雇用者では、コア業務を履行することがだんだんと困難になってきています。

スキル区分を
「Aランク」⇒一人称で実施し、状況に応じて自己判断でき、かつ他の社員の指導ができる。
「Bランク」⇒通常の業務は一人称で実施できる。
「Cランク」⇒他の社員の指示のもとに実施できる。
「Dランク」⇒業務知識が無い

と区分けした場合で、最低でも「Cランク」になるためには、どの程度の育成期間が必要か、また、B及びAランクに至るまでには、どの程度の習熟期間が必要かを業務単位で過去の事例から標準的な期間を算出した。

その結果、Dランクの社員をCランクに育成するには、概ね3ヶ月から4ヶ月以上の期間が必要であることがわかった。
我が担当の業務を最低レベルで維持するためには、6割以上のBランクの社員が必要であるが、Bランクに必要なスキルを習熟するには、更に1年以上の期間が必要であり、契約社員を1年毎に新規雇用していたのでは、業務がなりたたないことを数値がはっきりと示していた。

これは、由々しき問題であり、健全な会社とはとても言えない。
今の日本の大半の会社は、このような状況にあるのではないか。